
紀伊半島南部に位置する那智駅は、駅前から熊野那智大社や那智滝に向かう道路が伸び、駅裏には那智海水浴場が広がっている。紀勢本線が全通したことにより大阪・名古屋・東京方面とを直結する優等列車もやってくるようになった。立地もアクセスも良好とあって、駅から徒歩数分のところでは那智ユースホステルが営業していた。
紀勢本線の全通とユースホステルの開館は、どちらも1959年(昭和34年)のことで、本券は両者の20周年を記念して発行されたものである。表面には東京と紀伊半島を結んでいた寝台特急「紀伊」と、那智ユースホステルの写真があしらわれている。

裏面では那智ユースホステルと紀勢本線が、多くの人たちに支えられて20周年を迎えたことが簡単に紹介されている。

現在の那智ユースホステルについても触れておくと残念ながら現存していない。本券の発行された70年代はユースホステルの全盛期で、全国各地に500〜600軒も存在していたが、80年代になると減少の一途をたどるようになり、那智ユースホステルもその流れから逃れることはできなかったのだ。共に券面を飾った寝台特急「紀伊」も廃止されてしまった。

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