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私鉄片上鉄道1979年(昭和54年)
私鉄片上鉄道1979年(昭和54年)

《柵原》プラスノー人工スキー場 オープン記念切符

岡山県の瀬戸内海に面した片上から、山間にある柵原やなはらまでを結んでいた片上鉄道。旅客輸送も行っていたが、主力事業は柵原にある鉱山で採掘された硫化鉄鋼を、積出港のあった片上まで輸送することであった。

鉱山最盛期には柵原も片上鉄道も活気にあふれていたが、1970年代になると採掘量の激減により衰退がはじまった。そんな時代に現れたのが柵原いこいの広場(やなはらパレス)というレジャー施設で、キャンプ場やレストハウスに複数のアクティビティが用意されていた。

施設のなかにはプラスノーと呼ばれるマットを敷き詰めた人工スキー場まであり、本券はそのオープン記念に発行されたものだ。スキー場とあまり関係のなさそうな片上鉄道がこのようなものを制作するあたり、経営の柱であった貨物輸送が減りつづけるなかで、鉄道利用者の増加を期待していたのかもしれない。

表面にはレストハウス・キャンプ場・人工スキー場などからなる、やなはらパレスの全体図が描かれている。クロッケーゴルフ・釣り堀・ゴーカートに坑道観光なるものまであり、大人から子どもまで楽しめる施設であったことが見て取れる。

記念切符の表面。幅が20cmを超える大きな券面は「やなはらパレス」全体のイラストになっていて、各種施設やそれを利用する人たちがコミカルに表現されている。右側にはおまけのように柵原から120円区間の乗車券と、柵原駅の入場券が付いている。サイズは21.9 × 11.6cm。
記念切符 表面 (21.9 × 11.6cm)

裏面には施設の概要やアクセス方法が記されている。それによるとスキー場は長さ250mで幅20m、レンタルスキーやリフト完備でオールシーズン利用できるとある。レストハウスも単なる食事処ではなく、ステージ付きの大広間や大浴場を備えた大規模な施設だ。

アクセス方法は当然ながら片上鉄道を利用する方法のみが記されている。山陽本線の和気駅で片上鉄道に乗り換え、吉ヶ原駅下車でバスに乗るか、柵原駅下車で徒歩20分とのこと。

記念切符の裏面。左側にやなはらパレスの利用案内が記されていて、人工スキー場・レストハウス・キャンプ場・釣り堀などの紹介がなされている。中央にはやなはらパレスまでの移動手段を追加した片上鉄道の路線図が置かれ、右側にどの駅で乗り換えるかなど具体的なアクセス方法が記されている。
記念切符 裏面

こうして片上鉄道はやなはらパレスへのアクセス鉄道として大いに賑わうことになった、そうなればよかったのだけど、本券発行から8年後の1987年(昭和62年)に鉱山の貨物輸送がなくなると、ほどなく1991年(平成3年)に廃止されてしまった。やなはらパレスのほうもそれから10年ほどで姿を消している。

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